一升餅とは?
一升餅は、一升(約1.8kg)のモチ米でつくった餅のこと。餅は昔から、日本人にとっておめでたい時に食べる縁起の良いもの。「一生食べ物に困らないように」との願いを込めて「一生」と「一升」をかけ、一升(約1.8kg)の重さになったと言われています。赤ちゃんに一升餅を背負わせたり、踏ませたり、抱かせたりしてお祝いします。丸い形は「一生、円満に過ごせるように」という意味もあると言われています。
一升餅はお子さまの健やかな成長を祈る行事ですので、背負えなくても立てなくても喜ばしいことと受け止めます。
立ち上がれたら「身を立てられる」座り込んでしまったら「家にいてくれる・家を継いでくれる」転んだら「厄落としができた」と言われ、なんでも縁起が良いとされています。転んでしまってケガをしたりしないよう、注意深く見守りながらお祝いしましょう。
「踏み餅」とは?
また、素足やわらじを履いた足で一升餅の上に子供を立たせる「踏み餅」には、大地にしっかりと足をつけて生きていけるようにという意味が込められています。これは、西日本や九州地方に多い風習のようです。
一升餅とあわせて行われる行事に、「選び取り」があります。
「選び取り」とは、赤ちゃんが1歳になった時に子どもの才能・職業を占う記念儀式です。本・筆・ソロバンなどを並べて、子どもがどれを手にとったかによって将来どんな人になるかを占います。
赤ちゃんから少し離れた場所に職業や才能を表すお子さまの前にさまざまなアイテムを置き、手に取るものによって将来の仕事、才能を占います。選び取りカードなど、アイテムの絵柄が描かれたカードもあります。スペースや安全性を確保するために、カードで選び取りを行う家庭もあります。
選び取りのアイテムで定番なのは「筆」「お金」「そろばん」の3点。
定番のもの以外にも、いろんなバリエーションがあります。
このほかにも、両親や祖父母の職業に関連するアイテムを用意するなど、バリエーションは自由です。
赤ちゃんが普段遊んでいるものは、手を伸ばしやすくなるので気をつけましょう。また、赤ちゃんが手にとって危ないものはカバーをつけたり、イラストのカードにするなど怪我のないようにしましょう。
- お金や財布 →お金持ちになる、お金に困らない、玉の輿に乗る
- 筆 →勉強や知識を表し、勤勉で頭のいい子になるように
- そろばんや計算機 →商売繁盛の願いや将来手に職をつけるという意味
- スプーンやはし →将来食べ物に困らない、食に関する仕事に就く
- 定規 →将来几帳面な性格になる、建築・建設関係の仕事に就く
- スマートフォンやタブレット →IT関連の仕事に就く
- クレヨン →絵や芸術の才能がある、アーティストになる
- 鏡 →美的感覚が鋭くなる、美容関連の仕事に就く
- ボール →運動の才能が開花する、球技選手になる
- 鈴、タンバリン、楽器のおもちゃ →音楽の才能がある、アーティストになる
赤ちゃんが生まれてはじめて迎える1歳の誕生日は、記念に残るお祝いにしたいですね。かけがえのない1歳の思い出になりますよう、ご家族で楽しんで過ごしましょう。