1932年 初代 望月林蔵が雛道具の金具職人として独立開業。その世界で名人の域まで上り詰めるも戦争ですべてを失う。
戦後、二代目輝彦が東京の人形職人の元で修業し、望月人形店を設立。
1968年に三代目 望月和人(田村芙紗彦)が参画、1986年に店名を「左京」に変更し現在に至る。
人形師
田村 芙紗彦
本名、望月和人。静岡市に生まれる。大学卒業後、名古屋の山本人形にて2年間の修行を経た後、現株式会社左京に入社。
1990年より「田村芙紗彦」として雛人形制作に従事し、新作見本市コンクールにて数々の賞を受賞。2011年より一般社団法人日本人形協会静岡支部代表。
人形の形・造りへのこだわりから、京都の伝統的な型を採用しつつ、デザインにおいては古今東西あらゆる柄・色によるオリジナリティ溢れる人形作りが特徴的。
インタビュー
MAHOROBA店長が、田村芙紗彦さんへインタビュー。
お人形へのこだわりについてお伺いしました。
僕は田村さんが製作されるお人形は、シルエットが綺麗で落ち着きがあるところが好きです。
形については、特に殿は正三角形、姫も綺麗な左右対称にすることを徹底していますよ。あと重心を低く持っていくように常に意識して作っています。
重心を低く?やっぱり見る人に安定感、安心感を感じてもらえるからですか?
そうです。あとはその方が手の長さが強調されて美しく見えるんです。
なるほど。モデルさんの様な感じですね。それと合わせて姫の裾も長めになっていて、肩から袖、裾にかけてスーッと流れるようなイメージですよね。
姫の裾が段々に少しずつズレてるでしょう。これは、着物を着て座った時の自然な感じを出すと同時に、内側の衣装の色目が綺麗に出るよう工夫しているんです。
確かにその方が上から見た時、色目が強調されて綺麗ですよね!その他、田村さんのこだわりポイントはありますか?
全てのお人形の衣装は完全オリジナルの生地を使用しています。生地屋さんでベースの布を選び、そこに入れる柄(刺繍や金彩)を決めます。デザイン、大きさ、配置・配色など全て私のイメージを生地屋さんに伝えて一種類ずつ作ってもらっています。その際、特に色に関しては洋色は避け、和の伝統色のみで作るようにしています。
ご自身で衣裳生地のデザインから色選びまでされるんですか!?確かに凄いこだわりですね!
おすすめポイント
高級感・上品さがある美しいシルエットのお人形。インタビューでもわかるようにそのシルエットを出すための工夫がされたこだわりの逸品ばかり。
伝統的な京人形の雰囲気がある一方で、衣裳には斬新で個性的な柄が使用されていて、和室・洋室どちらの空間でも素適に演出できると思います。
基本は正統派で行きたいけど、少し現代風のおしゃれなお人形をお探しの方にぴったり。